広告ではなく、アーティストの楽曲として届ける。
新型建機「DELTA」を、都市工事の現場で働く人たちへどう届けるか。私たちが選んだのは、広告にアーティストを起用することではなく、製品の思想を一曲の楽曲へと変えることでした。呂布カルマさんの作品として発表された『δ』を起点に、ミュージックビデオ、プロモーション映像、パンフレット、カレンダーまで、一つの世界観で展開するキャンペーンを設計しました。
広告らしい広告では、届きにくい。
DELTAの主なユーザーは、都市部で配管工事や道路工事などに携わるプロフェッショナルです。
家族経営や少人数で事業を営む会社も多く、現場で汗を流しながら仕事を続ける人たち。
そうしたユーザーに、新商品の性能やスペックだけを並べた広告は、本当に届くだろうか。
私たちはまず、その問いから考え始めました。
届けたいのは製品情報だけではありません。
DELTAが目指す「新しい常識を生み出す」という思想や、仕事に向き合う姿勢そのものを伝えたい。
だからこそ、製品の説明ではなく、ユーザーが普段親しんでいる表現の中からコミュニケーションを組み立てることを選びました。
企業の曲ではなく、一人のアーティストの作品へ。
コラボレーションの相手に選んだのは、ラッパー・呂布カルマさん。
お願いしたのは、広告ソングをつくることではありませんでした。
DELTAという製品や、その思想からインスピレーションを受け、一人のアーティストとして新しい楽曲を制作していただくこと。
そうして生まれたのが、『δ』です。
歌詞には、泥にまみれながら働くこと。
新しい技術を身につけること。
言い訳をせず、とことんやり抜くこと。
そして、「なりたい自分になる」という意志。
DELTAという製品のスペックではなく、その先にいる人たちの仕事観や生き方が、呂布カルマさん自身の言葉で表現されています。
企業のメッセージを押し付けるのではなく、アーティストの作品として自然に成立すること。
そこに、このプロジェクトの大きな価値がありました。
一曲から、ブランド体験を広げていく。
『δ』を起点に、ミュージックビデオを制作。
さらに、その楽曲を使用したDELTAのプロモーション映像へ展開しました。
世界観は映像だけで終わりません。
ブランドパンフレットやカレンダー、DMなど、お客様とのさまざまな接点へ広げることで、どこに触れても同じブランド体験が伝わるよう設計しました。
一つのコンテンツを制作するのではなく、一つの世界観を育てていく。
そんなキャンペーンを目指しました。
製品ではなく、共感から始まるブランドへ。
建機は性能や品質が重要な製品です。
しかし、それだけでは人の記憶には残りません。
誰が、どんな想いで仕事をしているのか。
どんな価値観を大切にしているのか。
そうした人間らしい部分に触れたとき、ブランドは単なる製品ではなく、共感できる存在になります。
広告として伝えるのではなく、一人のアーティストの作品として届ける。
その届け方そのものをデザインしたことが、このプロジェクトのクリエイティブでした。